いつの間にか消えなくなるホワイトボード。もしかしたら掃除の仕方が間違っているかもしれません。この記事では、消えないホワイトボードの線やマーカーの汚れをきれいにする方法から、そもそもなぜ汚くなるのか?その原因まで、徹底的に解説してゆきます!この記事の目次1. 今すぐできる!汚くなったホワイトボードが元に戻る方法先ずはズバリ「きれいにする方法」を紹介します。ペンやマーカーの汚れに対し、その場でパッとできる方法から、少し手の込んだ方法まで「ホワイトボードをきれいにする具体的な方法」に加えて、その方法が「効果的な理由」まで詳しく分かりやすく紹介していきます。細かい解説に入る前に、また時間の無い読者の方のためにも、ここで予め見取り図を示してみますので参考にしてみてください。1-1 ホワイトボードをきれいにする方法の見取り図ホワイトボードをきれいにする方法は、そもそも「汚れている原因が何か?(ホワイトボード/イレイサー/マーカー)」と「きれいにするアプローチは何か?(清掃/交換)」の、2軸で観るとすっきりします(下図)。図の整理を参考に、以下では順に6つの対策を紹介していきます!1-2 ①先ずはシンプルに水拭きからホワイトボードが汚れてきたと感じたら、最初に試して欲しいことは「水拭き」です。水に濡らして絞ったタオルで大丈夫ですが、身近にウェットティッシュがあれば捨てやすくて便利。水拭きの後は乾拭きを忘れずに行い、表面をきれいに整えましょう。ほぼ0円で即座にできることも嬉しいポイントです。◎ マーカーが水性だから水拭きが効くそもそもなぜ水で落ちるのかというと、単純ですが「ホワイトボードマーカーやペンのインクが水性だから」です。インク汚れと一緒に空気中のホコリなども拭き取れるので、高確率できれいさが復活します。だまされたと思って、一度は水拭きを試してみてください。◎ 水拭きの後は乾拭きするのがコツ強く擦りすぎるとキズが付くので注意しましょう。また最後に乾拭きをすることで、水滴のムラが無くなり、きれいになります。基本的ですが「汚れたら先ずは水拭き」です。1-3 ②油汚れにはアルコールティッシュが便利指紋のような油汚れが気になるなら「アルコール」を試しましょう。身近にあるアルコールタイプのウェットティッシュが便利です。アルコールタイプの消毒液を吹き付けた布などでも大丈夫ですが、保湿剤等のアルコール以外の物質が入っていないものを選びましょう。◎ アルコールには油分を落とす作用がある手や食品などからホワイトボードに移る油分は、書き味が落ちる原因になります。油分はアルコールでよく拭き取れますが、これはエタノール(一般的にアルコールといえばエタノールを指すことが多いです)は油を溶かす性質があるからです。◎ 油性ペンで書いてしまったときもアルコールは効く同じ理由で、誤って油性ペンで書いてしまったときの消去にも効果が期待できます。油汚れだからと言って、中性洗剤(台所用洗剤など)は原則としてNG。逆に書き味が落ちてしまうこともあるので注意してください。1-4 ③ホワイトボードクリーナーを使いこなす(上級者向け)市販している液体クリーナーでもキレイになります。様々なタイプがありますが、それぞれの商品の使用方法を守って使用すれば効果が期待できます。ただし特別な理由が無い限り、本記事では上記2つの方法(水拭きとアルコール)をオススメします。◎ 界面活性剤系は特に要注意クリーナーに多いのが界面活性剤系のもの。界面活性剤は洗浄力に優れているものの、成分がホワイトボード面に残ると、ホワイトボードマーカーやイレイサーに悪い影響を与え、筆記性や消去性を損ねる原因になります。100円ショップなどでクリーナーを購入して「どうしても使ってみたい…!」という方は、必ず「水拭きと乾拭きをセット」で行ってください。◎ 特にこだわりがなければ水拭きやアルコールティッシュを勧めたい市販品には多種多様な商品があり、選ぶのも大変です。複数の成分を併せた商品も多く、価格も100円~2,000円程度まで大きくバラツキがあります。上級者向けのアイテムなので、特別な事情がない限り水拭きやアルコールティシュをオススメします。1-5 ④ホワイトボードそのものを交換する残念ながらホワイトボードそのものが回復不能のダメージを負っていることもあります。本来はスムーズな書き心地と視認性の高さから生産性を高めてくれるツールですが、もし回復できない状態になると、使い続けるのもストレスです。◎ 何よりもキズに注意ホワイトボードは一度キズがつくと修復が困難です。キズが付く理由は、消す時に異物が挟まったり、移動中に硬いものがぶつかるなど様々ですが、一度付いたキズにはインクやホコリなどの汚れが蓄積してしまいます。こうなると、上記で紹介したような方法を試してもキレイになりません。◎ 日頃のキズを付けない工夫が大事日頃から、キズが付かないようにするのが大事です。例えば、インクの出が悪く、固くなった芯でゴシゴシ書くことを繰り返していると、キズが付くことがあります。1-6 ⑤イレイサーを取り替えるホワイトボード面のキレイさを気にしすぎて、見落としがちなのが「イレイサー(消し具)そのものが汚いこと」です。イレイサーは物理的に汚れを吸着するので、どこかのタイミングで必ず「替え時」が来ます。イレイサーを新品したら、ホワイトボードが驚くほどキレイになったなんてこともありますよ。◎ 消えなくなったら交換するイレイサーの表面に「インクのカス」が膜のようにこびり付いていたら、十分に交換時期を迎えています。このまま使い続けても、汚れは落ちません。消えなくなったら交換しましょう。◎ 備蓄して定期的な交換がオススメ0円とはいきませんが、通常そこまで高い物でもないので、イレイサーは定期的な買い換えをオススメします。また「購入自体が面倒くさい」ということも、交換時期が遅れるよくある理由の1つ。そんなことがないように、ある程度リフィルや替えをストックしておくと良いですよ。1-7 ⑥ホワイトボードマーカーを見直す間に合せで購入して、案外気にしないことが多いのがホワイトボードマーカーです。特に注意したいのがその「品質」。この品質によっては「そもそも消えにくいために消すのに苦労している」ものが少なからずあります。水性ペンなら良いと思い、ホワイトボード専用のマーカーを使っていない。乾き気味のホワイトボードマーカーを無理に使い続けている。ホワイトボードもイレイサーも新品の時から消えにくかった少しでも当てはまれば、ホワイトボードマーカーを疑ってみましょう。良いマーカーを選ぶことは、ホワイトボードを気持ちよく使うための必須条件です。2. そもそもホワイトボードが汚くなる理由とは?その原因を徹底解説!ここではホワイトボードが汚れる「原因」について解説していきます。「ちゃんとホワイトボードマーカーで書いているのに、イレイサーで拭いているのに、なぜ汚れが落ちないの!?」そこにはちゃんと理由があるんです。2-1 ボードよりもイレイサーに原因がある?キレイにならない理由で多いのは「ボードではなくイレイサーに原因がある」場合。毎回使うものだけに、想像よりも早く劣化してしまっている可能性があります。◎ そもそもイレイサーはどうやってインクを消すのか?よく使われる素材はフェルトやスポンジです。共通するのは表面に細かい凹凸がたくさんあること。イレイサーはこの「細かい凹凸でインクをキャッチして消す」のです。ここが目詰まりを起こすと吸着性能がガクンと落ちてしまいます。最後にはインクかすでインクをこそげ取っているような状態になり、これでは汚れがうまく落ちないばかりか、大事なボード面を傷つけてしまいかねません。◎ ではどうすればキレイに拭けるようになるのか?イレイサー面の消し面に目を向けてみると、汚れ方に偏りがあることがあります。そんな場合にはキレイな部分を有効活用できるかもしれません。もし全面的に汚れが付着していて、さらには光沢を放つほどにまでなってしまっているときは、迷わずイレイサーを買い換えることをお勧めします。探してみると数百円とそこまで高いものではなく、ボード本体に比べるとはるかに安価に購入できます。消し心地の良さはホワイトボードの魅力を最大限引き出してくれますよ。2-2 消すタイミングが汚れ方を左右する?汚くないホワイトボードでも、「消そうとしたらインクが広がってしまった」なんてことはありませんか?実はそれ「消すタイミング」が悪いからなんです。意外と知られていないホワイトボード「マーカ―」の特性をのぞいてみましょう。◎ 実は消えやすくなるまでに20~30秒かかるインクが広がってしまう現象の原因は、ホワイトボードマーカーが「水性の溶剤」を使用しているから。溶剤にマーカーのインクが溶けているのですね。この「溶剤」実は揮発するのに20~30秒かかります。そのため、書いてすぐに消そうとするとインクが固まっておらず(溶剤が揮発し切っておらず)、インクが広がってしまうのです。◎ 1日以上経つと消えにくくなる早すぎてもだめですが、書いてから数日経過した文字や図を消そうとして、なかなか消えなかった経験もあると思います。それは溶剤ではなく、今度は「剥離剤」の効果が無くなってしまったため。ホワイトボードマーカーには「ホワイトボードからインクを剥離させやすくする成分」が入っているのですが、こちらは1日以上経過すると徐々に効果が失われていき、結果としてボード面にインクが固着してしまうのです。◎ 結論:書いたら20~30秒待ち、できるだけその日のうちに消す以上のことから、ホワイトボードのインクを消すタイミングは早すぎても遅すぎてもダメということになります。具体的なベストタイミングは「書いたら20~30秒待ち、できるだけその日のうちに消す」と覚えましょう。2-3 ホワイトボードの劣化は予防するしかないイレイサーはキレイだし、消すタイミングも間違っていない…。それでも消せない汚れがあるときは「ボード自体の劣化」を確認しましょう。◎ ホワイトボードのキズやダメージは回復しない消せない汚れは、ある程度原因を特定できます。どうしても消えない線 ⇢ ボード面の切り傷、擦り傷にインクが入り込んだことが原因ある部分だけインクが残りやすい ⇢ ボード面の凹み、コーティングの剥離が原因これらの劣化の原因は色々と考えられますが、対応する方法はただ1つ「キズやダメージを付けないこと」です。理由はシンプルで、こうなるともはや買い換える以外に回復する方法がないからなのです!唯一、コーティングについてはコート剤が市販されています。ただし一般的なものは価格が数千円程度したり、まんべんなく塗装して8時間以上乾燥させるなど、技術とコストが必要です。NG事例集を参考にしていただき、まずはキズを付けないように心がけましょう。◎ これらの劣化が起こってしまったらどんなに気を付けていても、ホワイトボード面にキズがついてしまうことはあります。もし気にならない程度の痛みであればそのまま使用することもできますが、ホワイトボードとして使う上で問題となる程のキズがついてしまったら、そのときは買い換えを検討しましょう!3. 何となくよさそう…?実はやらないで欲しいNG事例集ここでは「ついついやってしまいがちだけど、実はホワイトボードにとっては最悪!」な代表的な事例を5つご紹介します。3-1 強めに拭くのは百害あって一利なし…強めに拭くのは絶対にやめましょう。イレイサーで汚れが落ちないとき、つい「力を入れてゴシゴシ…」という経験をお持ちの方は多いと思います。たしかに一時的には汚れが落ちるかもしれませんが、その代償は大きくなります。擦ったときに発生する摩擦熱でコーティングが変質して傷んでしまったり、ホワイトボードが凹んでしまったり、マイナス面ばかりです。書き味にも消し味にも良いことが1つもありません。3-2 中性洗剤を使うその後が大変…中性洗剤は落とし穴。汚れは落ちても「その後が大変」です。ホワイトボードの汚れは落ちますが、その後に界面活性剤がボード表面に残っていると大変なのです。界面活性剤に「汚れを浮かせて落とす力」があることから、今度はインクを弾いて、うまく書けなくなってしまいます。またボード表面は特殊なコーティングがされていますが、洗剤の成分が表面のコーティングを傷めてしまうこともあります。3-3 メラミンスポンジは表面を削り取る…スポンジというだけあって、柔らかい印象を持つメラミンスポンジですが、なぜ良く消えるのかご存知ですか?実はスポンジが極めて細かな網目状になっており、その網目で「汚れを削り取る」ことで綺麗にするのです。そんなメラミンスポンジでこするとどうなるか…。表面のコーティングを傷めてしまい、傷に汚れが入り込みます。かえってインクが落ちにくくなるのです。3-4 硬いものでこする…ダメですどうしても消えない…となった場合「硬いもので汚れをそぎ落とす」という荒ワザを思い浮かべることがあるかもしれません。硬いもの…例えば「定規」「シャーペン」「ツメ」「10円玉」色々な硬いものが身近にあるものになると思いますが、インクを落とすことはできたとしてもボード部を傷めるリスクが大です。絶対にやめましょう。3-5 マーカーで上書きするのもデメリットが多い上級者の方は「汚れをマーカーで上書きし、マーカーの成分によって古いインクなどを浮かせる方法」をご存知の方もいるでしょう。たしかに汚れを浮かせることはできますが、同時に使ったマーカーのペン先には古いインクかすが膜のようにこびりつき、デメリットも大きいのです。汚れを落とす代償としてペンが使えなくなるのは避けたいですよね。4. こうなったら買い替え時?ホワイトボードのおしまいについてここまでお伝えした通り、ホワイトボードにも買い替えを決断する時が訪れます。ですが愛着がわいていたり、いざ買うとなると何を買えばいいか悩んだりして、なかなか手放せないもの。そこで最後に、ホワイトボードの買い替え時と、ホワイトボードの価値についてご紹介します。4-1 買い替え時は大きく4つホワイトボードの買い替え時は、物理的なダメージの種類によって判断できます。折れたり曲がったり凹んだり、平らなボードでなくなった時大小の切り傷がついて、消せない線になってしまった時ボード面が擦れたり削れたりして、書いたり消したりが困難な時マジックインキなど、ほぼ消せないもので書いてしまった時これらのケースではそもそも消せない・書けないといった深刻な問題に直接つながってしまいます。基本的には修復不可能のため、買い替えを検討しましょう。4-2 ホワイトボードの価値とは最後にホワイトボードの価値についてお伝えしてこの記事を締めくくりたいと思います。ホワイトボードは本来その場でアイデアを出したりすぐに記録に留めたり、スピーディーに楽しく使えるツールです。そのため書けない・消せない・見えないなどストレスを感じていながらも使い続けるのは本末転倒です。もしみなさんが使い続けたホワイトボードからの買い替えを検討する時が来たら、いつでもどこでも書いて消して記録できるホワイトボード本来の価値を追及して選んでみてはいかがでしょうか。それではみなさん良いホワイトボードライフをお過ごしください!